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前十字靭帯再建・半月板縫合術 その2

2021.02.02

で、朝起きたら予想通り紙パンツはパンツとしての原形をとどめていませんでした

パンツより手術が滞りなく終わってくれることが一番ですし、僕も大人ですので騒ぎません

緊張のあまりソワソワしてしまうので大人しく病室で寝ることにしました

しばらくすると、看護師さんがやってきて術衣に着替え歩いて手術室に向かいました

到着までの間は看護師さんがいろいろ気を遣っておしゃべりしてくれたので少し緊張が解けました

手術準備室に入ると20名近くのスタッフの方々が手際よく作業されていました

この部屋で看護師さんとはお別れして滝川クリステル似の麻酔科の先生に引き継がれました

クリステル先生も私の緊張をほぐしつつ

「確認のためお名前をフルネームでおっしゃってください」

と仰ったので、

私「ぁあかまとぅよしひろでぇすっ!!(赤松良宏です)」

と、緊張のあまり声がいつもより大きくなってしまいました

恥ずかしい…でも気のせいかな…気のせいであってくれ

でも、やっぱり私の声は相当大きかったようで、準備室にいたスタッフの方々全員がこちらに振り向きました

声…デカすぎた…

恥ずかしさが後からどんどん膨れ上がってきて顔が真っ赤になっているのが自分でもわかりました

しかし、クリステル先生は私の声の大きさを特に気にもとめず続けて確認事項を説明してくれました

まさに「おもてなし」である

私は淡々と

「はい」

「はい」

と返事をしていきます

この返事のボリュームでは誰も振り向かへんな…

じゃあ、さっき名前を告げた時のボリュームってどれくらい大きかったんやろう…

めちゃくちゃ大きかったんやろか…

こんな時にどうでもいい事がすごく気になってきてしまうのが僕の悪いところです

一生懸命説明してくれているクリステル先生にわざわざ

「さっきの僕の声のボリュームってどのくらいでした?」

なんてバカなこと聞けるはずもないので

クリステル先生が説明の終盤で

「わからないことはありますか?」

と聞いてくださったので試しに大きい声で

「ありませんっ!!」

と先程の名前を告げた時と同じくらいの大きさの声で答えました

感覚的には、王将に入って一番奥の席から厨房の大将に注文をお願いするときの「すいませーん!」くらいの強さだったと思います

するとまたスタッフの方々全員がこちらを振り向きました

さっきの声、こんなにデカかったんや…

そりゃ振り返るわな…

顔から火が出そうなくらい恥ずかったですが、クリステル先生は何も気に留めず優しく手術室へ案内してくれました

手術台に乗るよう促され、仰向けに寝そべると手際よく術衣が脱がされます

するとあの優しいクリステル先生が王将の声で

「これ、どうしたんですか!」

と、驚きを隠せない様子

クリステル先生の王将に数名のスタッフの方々の視線がこちらへ

目線の先には…

Oh my god…

忘れてた

ボロボロの紙パンツ

その後の記憶はありません

目が覚めたら手術は終わっていました

ただ、一つ覚えているのはクリステル先生がガチガチに緊張している僕の手を

「大丈夫やからね」

と声をかけながら、麻酔薬で意識がなくなるまでずっと握っていてくれたことです

このおかげで随分と緊張が和らぎ、

「さぁ、いつでもこい」

という気持ちの切り替えができました

ウチの病院でも手術や初めてのトリミングで緊張のあまり震えている動物は看護師の小川やトリマーの西が抱っこして緊張をほぐしてくれます

すると不思議と動物たちも心を許してくれて顔つきも穏やかになり身を委ねてくれます

ある動物の麻酔科の先生が

「抱っこは優秀な薬(麻酔前投薬)である」

と仰っていたのをまさに体感できたように思います

なかなか体験できないことを身をもって体験できたなぁと思います

この体験を今後の診療にも活かせるようにしたいと思います

今年は節分が2月2日ですね

毎年2月2日といえば

「猫の日」

「おぼん・こぼんのおぼん師匠の誕生日」

などで盛り上がりますが、まぁ、今年は節分に主役を譲りましょう

さて、今回の教訓は

「騒ぐと損」

です

では、みなさま今日も笑顔でいきましょう

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