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前十字靭帯再建・半月板縫合術 その4

2021.02.08

4週間に一回こんなお昼ご飯が出ます

外出や面会などできない入院患者にとってはとてもありがたいです

ありがとうございます

  

幸いというか、私の周りには同じ病院で同じ手術を受けた人がたくさんいるので、事前にいろいろなエピソードを聞いて手術に臨むことができました

その中でも

「術後は痛みで寝られなかった」

「尿カテの痛みは半端じゃない」

「リハビリの痛みが嫌で病院を抜け出した」

「お化けが出た」

など

やはり、痛みに関するエピソードが多かったです

しかし、なぜか僕は

「まぁ、骨に穴開けるんだから多少は痛いでしょ」

などと、痛みに関してはあまり心配していませんでした

しかし、結果は…

「痛かった」

いや

「バチくそ痛かった」

です

今日はそんなお話

   

術後は痛みもなく想像以上に順調でした

以前高校生の時に手術をした時と比較すると

「今回はすごくラクだなぁ」

なんて余裕をかましていました

しかし夜が近づくと右膝が

「ジーン、ジーン」

と存在感を放ってきました

あれ?と思ったので「痛みが出たら飲みなさい」と渡された痛み止めを飲みました

すると右膝の主張は見事おさまりました

安心して今日はゆっくり寝られたらいいなぁ なんて考えていると数時間後にまた膝が

「ジーン、ジーン」

と存在感を放ってくるではありませんか

痛み止めの内服は6時間空けなければいけないという

もしその間に治らない痛みはどうするのか?と聞くと

「坐薬を使う」というのです

これは僕にとっては大問題でした

なぜなら私は、恥ずかしさや怖さから『坐薬を入れてもらう』ということに幼い頃からかなり抵抗があり

どれだけ必要に迫られても、現在に至るまでその都度「坐薬」をしっかり拒んで生きてきました

この時点で、時計を見ると前回の内服から2時間しか経っていない

「右膝よ…自己主張が過ぎます…」

だから、今は坐薬を避けるためにも、どうにかしてこの自己主張を自力でおさめなければならないのである

目標は次回の内服が許可される4時間後

長い…

そこで思いついたのが

頭の後ろで手を組んで、斜め上を見上げながら口笛を吹いて

「僕は君のジーン、ジーンには気づいてませんよ〜 気のせいだもんね〜」

と心の中でつぶやく という

名付けて

『気づいてないですよ〜』作戦

一見すると馬鹿げた作戦だが、これがなかなか効くのです

見事、右膝の自己主張はまたどこかに隠れていきました

この作戦で一晩過ごせたら今回の入院はもはや勝ったも同然 あとはリハビリを頑張るのみだ

が、しかし

日付が変わる頃、またしても右膝の自己主張が始まった

「ジーン、ジーン」

いやいや、ナメてもらっては困る 

なんてったって、僕には『気づいてないですよ〜』作戦があるのですから

さっきと同じポーズで口笛を吹きながらつぶやいてみる

「……。」

おさまらない…

それどころか

「ジーン、ジーン」ではなく

「ガーン、ガーン」

になりはじめた

心の中が

「ざわざわ…ざわざわ…」

し始めた

作戦失敗か…

冷や汗が止まらない

口笛も激しさを増し、この時にはすでに沖縄居酒屋生ライブの指笛くらいになっていました

そもそも「気づいてないですよ〜」作戦ってなんやねん…

「気にしてないですよ〜」とつぶやいている時点でだいぶ気にしているし

などと自分自身にツッコミを入れたりして気を紛らわせますが

右膝の自己主張は一向におさまる様子は無く

「バーン!!バーン!!」

という本格的な激痛になりはじめ、この時すでに口笛は

ピーピーピーピピーピーピピーピーピーピーピーピピッ‼︎

と、サンバのカーニバルになっていました

汗だくで斜め上を見ながらサンバのカーニバルしてる人は見たことない

そんな人を見かけたら多分僕は話しかけない

痛みのイメージとしては

燃やされた竹がパーンっとはじけるというか

「骨がはじけるような感覚」 

今までに経験したことがない種類の痛みに苦しみました

それでもバカな僕は坐薬を入れてもらう事を拒み、痛みに耐えようとしました

結果無理でした

生まれてはじめて痛みで視界が歪みはじめました

たまらずナースコールを押し

私「す…すいませ…ん。い…痛い…です。」

看護師さん「入れよか?」

私「…。 …はい。」

多分、この時の「はい」は世界で一番小さい「はい」やったと思います

看護師さんがやってきてくれました

看「はい、終わったよ〜」

と気付かないうちに坐薬を入れてくれました

すると、どうでしょう

しばらくすると痛みが引いていってくれました

「こんなことならもっと早く入れてもらったらよかった…」

それ以降

坐薬に対する恥ずかしさと怖さが無くなった私は、

痛みが出はじめる度にナースコールを連打し、お尻を剥き出して

「バッチこーい!!」

状態でした

数時間前までは看護師さんから

「そんなに痛いなら坐薬入れようや」

と言われても拒否していた奴が今となってはフライング気味にナースコールを押し

「前の坐薬から8時間経ってないからまだ早い」

とおかわりを拒まれるくらいに成長しました

慣れって怖いですね

そんなこんなで2日間ほど痛みと闘いました

ただ、これだけ同じ手術を受けた多くの人にいっぺんに痛みに関するヒアリングできる機会ってなかなかないので、入院中にみんなに「痛かった?」「どれくらい痛かった?」と聞いて回りました が、その答は本当に様々です

全く痛くなかった とか 僕と同じような体験をした人とか

多分その理由は、前十字靭帯再建術といっても年齢・筋肉量・競技など様々な要因により、術名は同じでも全く同じ内容の手術はないのです

また、半月板縫合を同時に行うかどうか それが内側か外側かで痛みの出方が違うようです

僕らが日常的に行う避妊・去勢手術も個体によって全く手術は異なります

また、痛みに対する耐性はその人、その動物によって全然違います

すごく敏感な人・そうでない人

特に動物は「痛い」と口で言えませんから当院では「疼痛管理」を積極的に行ってなるべく痛みを感じさせない手術を心がけています

何が言いたいかというと 

前十字靭帯再建も半月縫合も痛いかどうかなんてやってみなきゃわかんないなと

こういってしまうと元も子もないのですが…

もし痛みがキツかったら

僕たち人間はそれを伝えることができます

だから、伝えましょう

そうすればお医者さんや看護師さんが必ずサポートしてくださいます

インターネットでの体験談で色々調べるのもいいけど

自分自身が感じて体感してそれを伝えればリアルな人間が助けてくれます

全く参考にならないかも知れませんが僕が体験して思ったことを書いてみました

少しでも参考になってくれれば幸いです

では、みなさま今日も笑顔でいきましょう

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